【ハーズバーグの二要因理論】転職軸の「優先度」を決める際に役立つフレームワークを紹介!

編集部
  • 投稿 2023.08.27
  • 更新 2023.08.27
ハーズバーグの二要因理論で転職軸を整理

転職活動を進めていく中で様々な規模やステージの企業と話をしていくうち、転職において自身が何を本当に大事にしたいのか、その軸の優先度が分からなくなってくるようなケースもあるのではないでしょうか。

ここでは、最終的に転職先をどこにするのかの意思決定にあたって、「ハーズバーグの二要因理論」という理論を元に解説していきたいと思います。

ハーズバーグの二要因理論とは?

天秤でバランスを図る

ハーズバーグの二要因理論とは、フレデリック・ハーズバーグによって提唱された組織心理学の理論です。この理論によると、働く人のモチベーションや満足度のアップダウンにはそれぞれ、以下の2つの要因が影響するとされています。

満足度を高める要因(動機付け要因)

動機づけ要因とは、

仕事そのものによる満足度や達成感です。

これには仕事への達成感、責任、成長の機会、昇進等が含まれます。ハーズバーグは、これらの要因が働く人のモチベーションと満足度を高める為に重要だと主張しています。

不満をもたらす要因(衛生要因)

衛生要因とは、

労働環境や労働条件に関連しており、不足している場合に働く人が不満足感を感じる要因となります。

これには給与、労働条件、ワークライフバランス、職場での人間関係、働く上での安全保障などが含まれます。衛生要因が不足していると感じる場合、働く人は不満や不快感を感じる可能性が高いとされています。

満足度を高める要因と不満をもたらす要因は全くの別物である

満足度を高める要因(動機付け要因)と不満をもたらす要因(衛生要因)

ハーズバーグが提唱しているこの理論の肝となる部分は、

  • 満足度を高める要因と不満をもたらす要因は全くの別物である

という点です。

彼がビジネスマンに調査・ヒアリングを重ねていった結果、この二つの要因は相互に関連せず、0をプラスにする要因と、マイナスを0にする要因とは全くの別物でそれぞれ個別に存在することが分かったとされています。

詳しく見ていきましょう。

不満をもたらす要因(衛生要因)を解消しても、満足度(動機づけ要因)は上がらない

会社の方針や管理監督の方法、対人関係、職場環境や給与、安全保障の観点については不満足要因(モチベーションを下げる要因)になりやすい一方、仮に完全に満たされても動機づけには直結しないとされています。

つまり、不満をもたらす要因を解消したとしても、それが満足度やモチベーションの向上に直接的には繋がらないということになります。

満足度を高める要因(動機づけ要因)を増やしても、不満足(衛生要因)は解消されない

仕事そのものの達成感や成長感、責任感など仕事の内容そのものに関する要因は動機づけ(モチベーションを高める要因)になりやすい一方、仮に欠けていたとしても不満足要因には直結しないとされています。

つまり、いくら満足度を高める要因を増やしたとしても、不満足が解消される訳ではないということになります。

満足の要因と不満の要因は個別独立に存在している

面接の準備

上記の通り、満足度を高める要因(0をプラスにする要因)と不満足を解消する要因(マイナスを0にする要因)は別々に存在しています。

この点は「今回の転職において、自身がまず何を優先的に実現したいと考えているのか」を整理する際のヒントになりそうです。

転職軸を整理する際ポイント

なぜ転職をしようとしたのか、もう一度原点に立ち返る

パソコンと人が交渉の会話

ここでもう一度、原点に立ち返りなぜ転職をしようと思ったのかに立ち返ってみましょう。

※以下では分かりやすくする為に、衛生要因を「労働環境・待遇」、動機づけ要因を「やりがい」と単純化して言い換えます。

  1. 「労働環境・待遇」には概ね満足しており、「やりがい」が大きく欠落している
  2. 「労働環境・待遇」に大きな問題があり、「やりがい」はそこまで欠けていない
  3. 「労働環境・待遇」「やりがい」ともに不足している

大きく上記の3パターンに分けただけでも、次に何を目指すべきなのかが変わってきます。

1.の場合であれば、「労働環境・待遇」が現職同等かそれ以上に満たされている上で、それ以上に「仕事そのものによる達成感や成長=やりがい」を体感できるかどうかが重要となります。

2.の場合であれば、最低限の「労働環境・待遇(ワークライフバランスや年収、福利厚生など)」が不足しているため、まずは何よりその点を確保した上で「やりがいや成長を実感できること」を考えていかないと、同じ理由でのミスマッチが次の企業でも起こってしまう可能性があります。

3.の場合は、1.2.の双方のバランスが求められます。

よくある話ではありますが、

転職活動をしていくうちに、本来は成長環境を求めての転職の筈だったのに、年収が高い企業から内定が出て嬉しくなってそこに決めてしまい、結果として入社後に成長意欲が満たされない。

その為、また1年も経たないうちに転職活動を再開する。

といったケースも珍しくありません。

こういったケースを防ぐにはどうしたら良いでしょうか?

以下に、どのような整理が必要かを解説します。

困難回避的なマイナスの衛生要因がなさそうな環境かどうか確認する

悪い印象

厚生労働省による雇用動向調査結果の概要によると、離職者の離職原因の8割は衛生要因に関連するとのことでした。

つまりこの点が欠落していると、いくら仕事を通じた成長を実感できたとしても長くは続かない場合が多いということが分かります。

これを読んでいただいている皆様も心当たりがあるのではないでしょうか。

もちろん、自身との相性もあるので入社してみないと分からない要素が多分にあります。
一方で、入社後自身の努力によっては変えることができないマイナスの衛生要因がなさそうな環境かどうか、まずはしっかりと確認できる限りは確認する必要があります。

ただし、この衛生要因が高く満たされたとしてもそれはマイナスが0になっていることであり、それが0をプラスに変える要因とはなりづらい点も注意が必要です。

仕事内容や成長など、自分にとって大切な動機づけ要因を整理する

ポジティブな雰囲気の環境

そこで、衛生要因が自分にとって必要最低限を満たせているのかを確認できたら、次に忘れてはいけないのは「動機づけ要因」の整理と確認です。

特に、以下のような動機づけ要因の中で

  • 仕事内容のやりがい
  • 責任範囲
  • 成長実感
  • 昇進の現実味
  • 達成感

自身にとってどのような点が特に重要で、モチベーションが高める要素になり得るのかをしっかり整理しましょう。

最後に

以上、まとめると困難回避的なマイナス衛生要因が極力なさそうな環境で、仕事内容や成長を実感しながらはたらく、そういう環境が、結果として「長く働ける」ことに繋がる(主語を逆にすると、会社としては長く働いてもらう)と言えるでしょう。

様々な企業との面接を重ねていくうちに、転職活動において何を基準に意思決定したら良いか、分からなくなってしまった場合の転職軸の整理に際して、ぜひ参考にして頂けたら幸いです。

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