転職活動の面接時によく聞かれる質問のひとつに、現職あるいは前職までの経歴における「退職理由」があります。
日本ではまだまだ、ひとつの会社に長く居続けた方が良いとされる傾向もあり、転職回数が多い場合や短期での離職につながった経歴がある場合に、その伝え方について迷う場面もあるのではないでしょうか。
ここでは、退職理由、転職理由の伝え方のポイントを解説します。
退職理由の棚卸し
人が会社を辞める場合、「衛生要因」と「動機づけ要因」に大きく分類できます。
衛生要因
衛生要因とは、職場環境に関係があるものを指します。仕事上の人間関係、 労働環境、 給与など条件面、 働き方、福利厚生、会社の方針と管理方法などがこれに挙げられます。
動機づけ要因
動機づけ要因とは、仕事の内容に関係があるものを指します。業務内容そのもの、達成感ややりがい、 役割と責任、 成長の可能性、 昇進などがこれに挙げられます。
退職理由がひとつだけ、ということではなく複数の要因が絡み合う場合も多いと思います。その場合はまずは、退職理由はそもそも何が一番大きいのか、整理するところからはじめましょう。
ネガティブな内容の列挙には要注意
退職をすることになった以上は、何かしらネガティブな要素があったことはいたって自然なことです。
一方で、だからといって例えば
- 裁量が曖昧で無茶振りが多い
- 仕組みづくりができていない
- 上司のマネジメントができていない
- 会社の管理方法が自分と合わない
- etc..
といったように、ネガティブな点だけを列挙してしまうことは避けた方が無難です。
ものごとには「良い面」と「悪い面」の両面がありますが、上記のような表現をしてしまうと、
物事を「悪い面」から捉えがちなのではないか?
という懸念が面接官に生まれやすくなってしまいます。
それにより、「長期就業の観点から落選」という結果にも繋がりやすくなってしまいます。
ネガティブとポジティブのバランスが大事
とはいえ、繰り返しとなりますが、退職理由にネガティブな要素が含まれるのは自然なことですし、逆にポジティブすぎる場合は、「本音で話していない」と受け取られる事もあります。
そこで、ネガティブとポジティブの”バランス”を意識した退職理由を、予め準備する事がおすすめです。
例えば、辞めることにはなったけれども、「やりがいと感じたこと」「感謝していること」「経験できて良かったこと」なども述べた上で、「とはいえ、●●●や●●●のような点については将来のキャリアを考えた上でも難しく、総合的に検討した結果、転職することになった」
というようなお話をすることによって、
「ものごとを良い面、悪い面、双方からきちんと見れている上で、冷静な判断ができる」
「少しぐらい何かあっても、すぐ辞めるような人ではない」
という印象を相手に与えられる可能性が高まります。
初対面であることを忘れずに、印象管理の意識を
お互いに気心知れている中であれば、上記のようなことを意識せずとも、人となりを互いに理解している中で会話できますが、面接、特に一次面接の場面では当然お互い初対面となり、どういう人なのかな?と会話のひとつひとつの印象から、人物像や価値観のミスマッチがないかを探っています。
特に、採用企業側にとって退職理由は、自社でも同じようなことが理由でミスマッチが起こらないかどうかを慎重に判断する上で大事な判断材料としています。
ポジティブとネガティブのバランスを意識したお話をすることで、適切な印象管理をしていただけたらと思います。

HOKADOKO運営チームの編集部です。IT/Web領域の転職支援事業やHOKADOKOを通じたサービス提供をしていく上で得た転職活動にまつわるノウハウをお伝えしています。
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